山口県周南市のJR徳山駅は、徳山・下松に広がる工業地帯への玄関口であり、山陽本線と新幹線が接続する県内有数の主要駅です。
1969年には駅ビル「徳山ステーションビル」が開業し、交通だけでなく商業の拠点としても機能してきましたが、郊外への大型店舗進出やモータリゼーションによる鉄道の利用低下によって駅ビルの利用者は減少し、2000年には運営会社が解散しました。
翌年、駅ビルの2階以上は市が運営する市民交流センターとなりましたが、建物の老朽化も進行したため、2015年3月に閉館し、解体されました。
現在、駅舎は南北自由通路とともに橋上化され、駅ビル跡地は図書館やカフェなどが一体化した新駅ビル「周南市徳山駅前賑わい交流施設」が開業。駅前広場やその周辺の整備も進んでいます。
橋上駅舎が完成した2014年から新駅ビルが開業した2018年にかけて、大きな変貌を遂げた徳山駅とその周辺。
今回は、2013~2014年にかけての橋上駅舎・南北自由通路建設中の様子を振り返っていきます。
2013年7月
5月に先行して完成した新跨線橋から広島方面を見た様子です。
北口(在来線口)と南口(新幹線口)を結ぶ南北自由通路の骨組みが出現していました。
2014年6月
自由通路の北口側階段が姿を現しました。奥に見えるのが橋上駅舎、そして右に見切れているのが旧駅ビルです。
このころには新駅ビルの完成イメージがあちこちに貼られていました。
この絵からも分かるとおり、自由通路の北口側は最終的に新駅ビルの一部に吸収される形となります。
自由通路の全景。外壁も完成し内装の工事が行われていました。
2014年8月下旬
自由通路開業および駅舎・改札の移転が行われる約1週間前。跨線橋側から新しい改札が見えるようになりました。
こちらが駅ビル1階の旧改札。すでに売店等は移転に向けて閉店されていました。
旧駅ビルと地下通路出入り口。
老朽化した地下通路は新しい自由通路開業によって廃止されました。
2014年9月6日
ついに橋上駅舎・自由通路が完成を迎えました。
これと同時に、北口(在来線口)には「みゆき口」、南口(新幹線口)には「みなと口」という名称が付けられました。
さらに自由通路の方にも、旧徳山町出身の詩人まど・みちおの代表作にちなんだ「ぞうさんのさんぽみち」という愛称が付けられ、内壁にはゾウをはじめとした徳山動物園にいる動物たちの足跡をイメージしたイラストが掲げられました。
しかし、明らかに仮設っぽさを感じる構造です。
前述の通り、この北口側階段は最終的に新駅ビルの一部に吸収され、動物のイラストも後々行方不明となってしまいました。
自由通路のテープカットが行われて通行が可能になった直後の様子。地下通路があったとはいえ非常に不便だった在来線口と新幹線口の行き来が格段にし易くなりました。
新改札(上)とホーム側から見た閉鎖された旧改札(下)。
市民交流センターも翌年3月に閉館し、役目を終えた駅ビルはその後解体が開始されました。
次回は新駅ビルの建設が進んでいた2017年5月からを振り返っていきます。
ご覧いただきありがとうございました。
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