01/17 東京メトロ有楽町線・副都心線の新型車両17000系第1編成が出場

2020年1月17日、東京メトロ有楽町線・副都心線用の新型車両17000系の第1編成17101Fが、山口県下松市の日立製作所笠戸事業所を出場しました。

17000系は40年以上にわたり活躍している7000系の置き換えを目的として、2022年度までに10両×6編成、8両×15編成の計180両が導入される計画となっています。今回登場したのは10両編成の17101Fで、2020年度下半期に営業を開始する予定です。


外観

前面は10000系とはテイストの異なる丸みの帯びたデザインで、これまでの東京メトロの車両とは全く違う雰囲気を感じさせる大きな丸形ライトは、ビニールで養生されていても一際目立っています。


車体のラインカラーは副都心線のブラウンと有楽町線のイエローの2色で、7000系・10000系で取り入れられていたホワイトの細帯は省略されシンプルなデザインとなりました。

各号車にフリースペースが設けられており、車端部の窓上には日比谷線13000系と同様に車椅子・ベビーカーのピクトグラムが車体デザインと一体化して表示されています。


各号車ごとの諸元

10号車

  • 定員:143人
  • 形式:17100形
  • 自重:28.5t

新木場/元町・中華街方先頭車。床下にはATC/ATS装置や戸閉制御切換装置などが搭載された制御車です。


9号車

  • 定員:154人
  • 形式:17200形
  • 自重:32.6t

主制御装置・パンタグラフ1基を搭載した電動車です。


8号車

  • 定員:154人
  • 形式:17300形
  • 自重:26.7t

蓄電池・電動空気圧縮装置などを搭載した付随車です。


7号車

  • 定員:154人
  • 形式:17400形
  • 自重:32.8t

9号車と同じく主制御装置・パンタグラフ1基を搭載した電動車です。


6号車

  • 定員:154人
  • 形式:17500形
  • 自重:29.2t

補助電源装置・変圧器・電動空気圧縮装置などを搭載した付随車です。


5号車

  • 定員:154人
  • 形式:17600形
  • 自重:28.2t

6号車と同じ付随車ですが、電動空気圧縮装置は搭載していません。


4号車

  • 定員:154人
  • 形式:17700形
  • 自重:32.8t

9・7号車と同じく主制御装置・パンタグラフ1基を搭載した電動車です。


3号車

  • 定員:154人
  • 形式:17800形
  • 自重:26.7t

8号車と同じく蓄電池・電動空気圧縮装置などを搭載した付随車です。


2号車

  • 定員:154人
  • 形式:17900形
  • 自重:32.6t

9・7・4号車と同じく主制御装置・パンタグラフ1基を搭載した電動車です。


1号車

  • 定員:143人
  • 形式:17000形
  • 自重:28.5t

小川町/飯能方先頭車。床下にはATC/ATS装置や戸閉制御切換装置などに加え、ATO(自動列車運転装置)やホームドア連動の情報を伝達するトランスポンダ送受信器が搭載された制御車です。


主要機器

主制御装置

主制御装置にはスイッチング素子にSiC(シリコンカーバイド)素子を使用した三菱電機製のMOSFET-VVVFインバータが採用されており、電動車1両ごとに搭載されています。主電動機には永久磁石同期電動機(PMSM)が採用されているため、インバータ4基で電動車1両の主電動機4基を制御する1C1M4群構成だと推測されます。


補助電源装置

5・6号車に搭載されている補助電源装置には三菱電機製の静止形インバータ(SIV)が採用されています。外観は13000系に搭載されているNC-GAT185Aと酷似していますが、銘板は読み取れなかったので詳細は不明です。


電動空気圧縮装置

編成内に3台搭載されている電動空気圧縮装置は、その外観から13000系と同様のオイルフリースクロール式だと思われます。


台車

15000系のFS778や16000系のFS779と同じモノリンク式ボルスタ付き台車の日本製鉄製FS781を装着しています。これまでの東京メトロの慣例通りM・Tとも同一形式となっています。


無線装置

7000系・10000系の場合、両先頭車の屋根上に搭載された逆L字型の空間波無線アンテナは地下鉄線内以外の各線区用で、地下鉄線内で使用される誘導無線アンテナは中間車(10000系では4号車)の床下および妻面に搭載されていました。

しかし17000系では中間車の誘導無線アンテナが存在せず、代わりに両先頭車の屋根上に円筒型アンテナが2本搭載されていました。これは東京メトロが列車無線を誘導無線方式からデジタル空間波無線方式への変更を進めており、有楽町線・副都心線では既にデジタル無線の運用が開始されているためで、既に10000系の一部編成でもデジタル無線対応改造によって円筒型アンテナの増設や誘導無線アンテナの撤去が行われている模様です。


相鉄直通への対応は?

そしてこの17000系について多くの方が最も気になっている点は、やはり相鉄直通対応の有無ではないでしょうか?

2022年度下期開業予定の相鉄・東急直通線は基本的に目黒線方面への直通が基本となるものの、東横線方面との直通も視野に入れられているようで、その際にはどの会社の車両がどこまで直通するようになるのかが注目されます。

では17000系が相鉄に直通する可能性があるかどうかを搭載機器から考察・・・ しようとはしたのですが、結論から言えば「何とも言えない」という結果でした。


考察1 保安装置

まず保安装置の観点で見ていくと、17000系が現時点で確実に搭載しているのは以下のシステムです。

  • 新CS-ATC・ATC-P(メトロ・東急線用)
  • T-DATC(東武東上線用)
  • 西武ATS(西武線用)

これらのシステムは両先頭車の「ATC/ATS装置」という機器箱に統合されているため、その中にATS-Pが含まれているかどうか外見から判断することはできませんでした。

また、ATS-Pのトランスポンダ車上子は先頭車最前部の乗務員室直下に装架されるのですが、同じ場所には既に東武T-DATCの車上子があるため、これを共用するという可能性もありますが、やはり何とも言えません・・・


考察2 無線装置

続いて無線装置の観点から見ていく上で、列車無線について深く研究をされているかまてつ様のWebサイトを参考にさせていただきました。


東急のデジタル列車無線搭載について3:デジタル列車無線特集:かまてつのページ より一部抜粋・要約

>東急が相鉄直通用に製造した目黒線3020系には、相鉄用の三菱製デジタル無線と既存路線で使用されるNEC製アナログ列車無線の2つが搭載されおり、これは相鉄のデジタル無線が関東鉄道協会デジタル無線共通企画外(JR仕様)で、特許等の関係でNEC製デジタル無線を採用できなかったためと思われます。


このような3020系での事例から、相鉄に直通するには三菱製デジタル列車無線を採用せざるを得ないということが分かります。

では17000系の場合どうなのかというと、おそらく三菱製デジタル列車無線を搭載していると思われます。これは先に述べた10000系のデジタル無線対応改造車が三菱製を搭載しているためです。

しかし、東京メトロではデジタル化を進めている他路線でも三菱製が多く採用されていることから、10000系・17000系の三菱製デジタル列車無線が相鉄直通のためであるとは限らないため、やはり何とも言えません・・・


以上のように、相鉄直通の可能性については現時点で判断できる要素がありませんでした。その一方、2022年頃の東急東横線デジタルATC化や、時期は不明ながら東京メトロ全線での無線式列車制御システム「CBTC」導入計画はほぼ確定事項となっているため、17000系はそれらへの対応準備が既にされているのかも気になるところです。



前述のように、17000系は7000系の置き換えを目的に10両編成と8両編成が製造される予定で、そのうち10両編成の製造が日立製作所の担当となる模様です。

そして17101Fの出場・甲種輸送当日、笠戸事業所構内には既に2編成目以降となる17000系中間車の姿が確認できました。7000系は10両編成の方が比較的年齢が高い車両が多いことから、10両編成を先に順次置き換えていくという形になるのでしょうか。



参考資料

有楽町線・副都心線に新型車両17000系を導入します|2019年ニュースリリース|東京メトロ

デジタル列車無線特集:かまてつのページ

東京メトロもJR東も導入拡大、列車制御「無線式」の効果|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社


1コメント

  • 1000 / 1000

  • 佐伯祥太

    2020.02.05 08:39

    メトロ10000系・17000系は全編成に相鉄線直通対応改造をしてほしいです。相鉄はもしかしたら東急直通が副都心線・東武東上線・西武池袋線にも直通することになったら非常に楽しみです。