JR九州 筑肥線筑前前原駅におけるホームドア開閉方式

JR九州の筑肥線では、2021年3月13日のダイヤ改正に併せて、下山門駅~筑前前原駅間の全駅(整備済みの九大学研都市駅を除く)でホームドアが一斉に稼働開始されました。

筑肥線の基本的なホームドア開閉方式は、直通する福岡市地下鉄空港線と同じくトランスポンダによる送受信で車両ドアと連携する方式です。しかし、筑前前原駅において同駅以西の列車が発着する場合は開閉取り扱いの方式が異なっていました。


1 103系3両編成ワンマン列車の場合

1983年の筑肥線と福岡市地下鉄の直通運転開始に向けて製造された103系1500番台は、2015年3月に地下鉄直通運用から撤退した後も、筑前前原駅~西唐津駅間の3両編成ワンマン列車として使用されています。しかし103系はホームドアと車両ドアの開閉連携に対応した機器を搭載していないため、運転士が直接ホームドアの操作盤を扱うことにより開閉が行われています。

具体的な運転士の動作は以下の通りです。

到着時

  1. 停止位置許容範囲内への停止を確認後、運転席を離れてホーム側の乗務員扉を開ける。
  2. ホームドア操作盤「3両あける」ボタンを押下しホームドアを開扉。
  3. 表示灯でホームドアの開扉を確認後、車両ドアスイッチを扱い車両ドアを開扉。

発車時

  1. 車両ドアスイッチを扱い車両ドアを閉扉。
  2. 車両ドア全閉を確認後、ホームドア操作盤「しめる」ボタンを押下しホームドアを閉扉。
  3. 表示灯でホームドア全閉を確認後、運転席に戻り所定の発車時取り扱いを行い発車。


103系3両編成用の運転士用開閉操作盤。この箇所の筐体配置は乗務員出入り用のセットバックが設けられていない関係か、「あける」ボタンと「しめる」ボタンはともに上側です。


3両停止位置手前の開口部には運転士向けの目印として赤色のテープが貼られています。万が一停止位置をオーバーした場合、約4m以内であれば運転台を交換せずに後退が可能なようです。

103系はかつて地下鉄線に乗り入れていた時も、1984年から開始された自動運転およびワンマン運転、さらに2003年から整備されたホームドアとの開閉連携に対応できなかったため、103系を使用する列車に限り手動運転かつ車掌が乗務し、ホームドアの開閉も車掌が手動操作で行っていました。このようにツーマン運転で車掌が直接ホームドアを操作する駅は全国にありますが、ワンマン運転で運転士がわざわざ運転席から離れてホームドアを操作しなければならない事例は初めてではないでしょうか。


そのため発着時の取り扱いにはかなり時間を要しており、初日の段階では、到着から車両ドア開扉まで20秒弱、車両ドア閉扉から発車まで30秒弱も掛かっている様子も見られました。始発・終着駅のためダイヤ上の影響は少ないと判断された結果なのでしょう。


2 6両編成ツーマン運転時の場合

ホーム唐津方の乗務員用操作盤。3両用と6両用で2つの「あける」ボタンがあり、6両用ボタンはテプラと蝶番付きのカバーで誤操作防止が図られています。

今回のダイヤ改正では、ホームドア稼働とともに姪浜駅~筑前前原駅間の全列車でワンマン運転が開始されました。そのためドアの開閉操作は運転士が行い、前述の通りトランスポンダによる連携でホームドアも同時に開閉します。

一方で、6両編成の列車における筑前前原駅以西の区間は従来通り車掌が乗務しているのですが、ツーマン運転時は車両ドアとホームドアが連携しない仕組みになっているようです。すなわち、筑前前原駅で6両編成の列車がドアの開閉を行う際、発着する方面によって開閉方式が異なります。

  • ワンマン時(姪浜方面からの到着・姪浜方面への発車):トランスポンダ式連携
  • ツーマン時(唐津方面からの到着・唐津方面への発車):車掌手動操作

例えば筑前前原駅を跨いで運行する下り列車の場合、到着時(=ワンマン時)は運転士のドア操作で車両ドアとホームドアが連携して開きますが、発車時(=ツーマン時)は車掌がホームドアと車両ドアを別々に操作します。ツーマン時のホームドアが車掌手動操作なのはワンマン化以前の姪浜駅および九大学研都市駅も同じでした。これはシステム的に連携を行えないためのか、それともあえて行わない理由があるのかは不明です。



同駅へのホームドア設置計画が発表されたときから103系発着時はどのように開閉するのか気になっていましたが、まさか完全なるマンパワーでの対応になるとは思いませんでした。

ちなみに、筑肥線で採用された「軽量型ホームドア」は、ほぼ時を同じくして西武鉄道多摩湖線の国分寺駅でも導入されました(3月12日稼働開始)。こちらの路線もワンマン運転かつ車両は連携非対応ですが、ホーム側に設置されたセンサが車両ドアの動きを読み取ることでホームドアも追従して開閉するシステムとなっています。



出典・参考文献


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