JR九州 筑肥線のホームドア:下山門駅~筑前前原駅

JR九州は2019年1月、筑肥線九大学研都市駅にて2017年11月から実証試験を行った「開閉バー式軽量ホームドア」(以下:軽量型ホームドア)を、2020年度中に筑肥線下山門駅~筑前前原駅間の全ての駅へ本格導入することを決定します。

ホームの基礎工事2019年度から20年度にかけて行われ、2020年9月17日の今宿駅を皮切りに筐体の搬入・設置工事が順次開始されました。SNSに投稿された目撃情報によると、各駅での筐体搬入日は以下の通りです。

  • 下山門駅:2021年2月10日(上り)・2月12日(下り)
  • 今宿駅:2020年9月17日(上り)・9月18日(下り)
  • 周船寺駅:2020年10月26日(上り)・10月27日(下り)
  • 波多江駅:2020年10月26日(上り)・10月27日(下り)
  • 糸島高校前駅:2020年9月30日(上り)・10月1日(下り)
  • 筑前前原駅:2020年11月20日(1番)・12月16日(2番)※3・4番の搬入日は不明

※搬入は上記日の終電後に行われたため、正確には翌日の未明となります。


そして2021年3月13日のダイヤ改正にあわせて6駅一斉に稼働が開始され、これと同時に姪浜駅~筑前前原駅間ではワンマン運転も開始されています。


1 ホームドアの概要

軽量型ホームドアは扉部分が中空パイプによって構成されており、これによる扉単体での軽量化や風荷重の低減に加え、開扉時は戸袋に互い違いで収納されるため筐体の薄型軽量化にも貢献しています。

外観を見た限り、ホームドアの仕様は九大学研都市駅と特に変わっておらず、開閉時に流れるメロディも向谷実氏作曲の同じものが使用されています。そのため、細かい特徴などは九大学研都市駅の記事をご覧ください。

最初に設置された九大学研都市駅2番のりばの筐体は、透過部から互い違いに収納されるバーが見えるようになっていましたが、本格導入の6駅は1番のりばと同じく透過部は設けられませんでした。

開口幅も変わらず3,000mmだと思われます。なお、筑肥線と直通する福岡市地下鉄空港線とは異なりATO(自動列車運転装置)やTASC(定位置停止装置)は導入されていないため、所定位置への停止は今まで通り運転士の手動ブレーキングです。


各号車1-2番ドア間と3-4番ドア間の筐体には駅名標ステッカーが貼付されています。ホームの中間地点にあたる3-4号車連結部筐体に貼られた赤色のテープは、運転士に対して停止位置までの残距離を示す目印だと思われます。


ホーム両端の筐体は乗務員出入りスペース確保のためホーム内側にセットバックして設置されているのですが、下山門駅はホーム幅員が狭いためかセットバックは設けられていません。また、筑前前原駅の103系3両編成停止位置についてもセットバックが無いため、運転士は一旦客室を通ってホームに出入りしていました。


2 ホームドアの開閉方式

九大学研都市駅では車掌が直接ボタンを操作してホームドアの開閉を行っていましたが、本格導入の6駅ではトランスポンダによる送受信で車両ドアと連携して開閉する方式となり、同時に九大学研都市駅もトランスポンダ連携式に切り替えられています。地下鉄線内のホームドアは以前からトランスポンダ連携式だったため、搭載済みだった車上側の機器をJR線内でも活用した形です。


下山門駅の姪浜方にはホームドア連携制御のON/OFFを行うためと思われる無電源地上子が上下線ともに敷設されました。姪浜駅のホームドアも同じ連携方式ながら切り替えが必要なのは、システム面でJR独自の部分があるためでしょうか。


冒頭で述べた通り、筑肥線姪浜駅~筑前前原駅はホームドア稼働開始と同時にワンマン運転も開始されています。ワンマン化後は運転士がホームの状況を監視しドアの開閉を行うことになるため、各駅のホーム先端付近にはITVモニタが新設されました。

その下には九大学研都市駅と同じくホームドア表示灯が設けられています。表示内容は九大学研都市駅のものと変化していません。


通常は使用されませんが、運転士用の開閉操作盤も設けられています。操作盤は押しボタン式で、車両のドアスイッチと同じように下側が開ボタン、上側が閉ボタンとなっています。

操作盤の中央にある「結合」ランプは列車が定位置範囲内に在線している(=地上子と車上子が重なっている)時に点灯します。


なお、筐体のセットバックが無い筑前前原駅の3両用と下山門駅に限っては、操作性を考慮してか開ボタンと閉ボタンがどちらも上側にありました。


※稼働開始前日に撮影

当初からワンマン運転開始が前提だったため車掌用の操作盤は設けられません。


3 筑前前原駅におけるホームドアの開閉方式

前述のとおり、本格導入後のホームドア開閉はトランスポンダ連携式となったのですが、筑前前原駅において同駅以西のワンマン列車に使用される103系1500番台3両編成が発着する際などは開閉取り扱いの方式が異なっていました。詳しくは別記事で紹介しています。

103系1500番台はホームドアとの開閉連携に非対応。



下山門駅~筑前前原駅のホームドア本格導入によって、地下鉄空港線の福岡空港駅~姪浜駅と合わせた計20駅の区間でホームドア整備が完了したことになります。

一方で筑前前原駅以西の区間は、今回の改正でも系統分離が進みローカル線としての位置づけが強まってきているため、当面の間ホームドア導入の可能性は低いと思われます。



出典・参考文献


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