京急電鉄 羽田空港第1・第2ターミナル駅のホームドア

取材日 2019年3月23日・12月1日

※去年4月に投稿した記事を再取材の上で加筆・修正した改訂版です。


京急電鉄は2016年12月、利用客が多い主要5駅にホームドアを設置していくことを発表し、その第1号として空港線の羽田空港国内線ターミナル駅※で2019年2月21日よりホームドアの運用が開始されました。同社におけるホームドアの新設は、隣の羽田空港国際線ターミナル駅※が開業した2010年10月以来約8年ぶりのことでした。

※「羽田空港国内線ターミナル駅」および「羽田空港国際線ターミナル駅」は2020年3月13日までの駅名


1 ホームドアの概要

ホームドアのタイプは一般的な腰高式です。東京メトロ半蔵門線やJR西日本在来線などのナブテスコ製ホームドアと外観が酷似しているので同メーカー製とみて間違いないでしょう。

TASC(定位置停止装置)等の運転支援装置は未整備のため、開口幅は推定3,200mmとして許容範囲を広めに確保されています。ちなみに第3ターミナル駅のホームドアは2,800mmでした。


開口幅が広いため、筐体は左右のドアが互い違いに収められる戸袋一体型となっています。


開き戸式の扉を開けて乗務員室に乗り込む車掌。

ホーム両端部と車両連結部にあたる筐体には開き戸式の非常脱出口が設けられており、乗務員の出入り口としても使用されていました。


筐体がホーム内側にセットバックされている各編成両数の前後部には、旅客が立ち入らないよう筐体とホーム縁の間に鉄製の仕切りが設けられていますが、この仕切りは手で開けることができるため、ホームドアが開扉中なら乗務員はここからでも出入りが可能です。


居残り検知の3Dセンサは各開口の片側に1箇所、非常用ボタンは各開口の両側2箇所に設置されています。


各編成両数の前後部には乗務員用操作盤が設けられていますが、同駅のホームドアは後述のQRコード式連動システムによって自動開閉されるため、通常は使用されません。


また、ホームドア設置に併せて乗降監視を補助するための車掌用ITVモニタが新設されました。


2 ホームドアの開閉方式

同駅のホームドアには、東京都交通局とデンソーウェーブによって共同開発されたQRコードを用いたホームドア制御システムが使用されています。車両ドアのガラス部分に貼られたQRコードの動きをカメラで読み取ることで列車の動き(到着→ドア開閉→発車)を検知するとともに、QRコードの車種情報を元に編成両数やドア数が異なる車種にも対応して開閉連動を行うことが可能となりました。

より詳しいシステムのしくみは以下の別記事および動画で紹介しています。

元々このシステムは京急と直通している都営浅草線向けとして開発されたものですが、京急は2018年10月頃より第3ターミナル駅のホームドア(それまでの開閉方式は車掌手動操作)で、そして翌年2月には第1・第2ターミナル駅で、浅草線に先駆けてこのシステムを導入して一足先に本格運用が開始されました。


2.1 各種機器の概要

各種機器の正式な名称は不明なので便宜上の呼称で表記しています。

(1)QR読み取りカメラユニット

QRコードを読み取るための3基のカメラが取り付けられたユニットが、ホーム4箇所の車両ドア上部に設置されています。


(2)定位置停止検知センサ

前述のように、QRコードのみでも列車の到着→ドア開閉→出発という一連の動作を全て検知することは出来るそうですが、より確実に車両の動きを検知するために定位置停止検知センサも併用されています。

車両連結部を測定する方式で、北陽電機の2D測域センサ(LiDAR)が採用されています。


2.2 各種機器の配置とQRコード貼り付け位置の関係

QRコード読み取りカメラ・定位置停止検知センサの配置図を以下に示します。

同駅の場合、1ホームあたりのQRコード読み取りカメラ設置数は4箇所となっており、編成あたり最低でも2カ所以上で認識できるようにされています。

車両側のQRコード貼り付け位置も、8両編成の他社車についてはカメラの位置に合わせた4箇所ですが、京急車は様々な編成両数が運行される関係で読み取りカメラの数よりも多くなっています。


2.3 ホームドア表示灯・停止範囲表示灯

運転士・車掌それぞれに対してホームドア表示灯と停止範囲表示灯が設けられています。

表示内容の推移は以下の通りです。

この後、ホームドア閉扉後は①に戻ります。

なお、表示器の形状や表示内容は第3ターミナル駅に2010年開業時より設置されていたものと変わっていません。



余談ですが、2018年11月・12月に行われた同駅へのホームドア搬入には、ドア数の違いから第3ターミナル駅のホームドアに対応できず空港線での運用から撤退していた800形が使用されたことで話題となりました。

同駅の稼働後は続いて京急蒲田駅、横浜駅、上大岡駅、京急川崎駅の順にホームドア整備が進められていきました。これら4駅に設置されたホームドアも基本は同駅のものと同じ構造ですが、一部のみ開口幅が異なっていたり、さらには一部号車のみ二重引き戸タイプが採用されたりと、徐々に形態差が生まれていくこととなります。



参考資料

駅ホームにおける安全性の強化 2020年度までにホームドアを京急線主要5駅に設置します - 【KEIKYU WEB】京急電鉄オフィシャルサイト(リンク切れ)

羽田空港国内線ターミナル駅にホームドアを設置 | ニュースリリース | 京浜急行電鉄(KEIKYU)

2019年2月21日(木)始発より羽田空港国内線ターミナル駅のホームドアの運用を開始いたします | お知らせ | 京浜急行電鉄(KEIKYU)


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