京急川崎駅 ホームドア稼働後の切り離し作業手順

取材日 2020年12月19日

【お詫び】 当記事初出時、「ホームドア設置駅での切り離し作業は京急川崎駅が全国初」と記載しておりましたが、名古屋鉄道の中部国際空港駅1番線において前例があるとのご指摘を受け、記事タイトルおよび本文を訂正いたしました。お詫びを申し上げます。


2016年11月19日のダイヤ改正より、土休日午前の快特泉岳寺行き4本は、金沢文庫駅から京急川崎駅の間で後部に4両を増結した12両編成で運転しています。この増結は単に快特の混雑緩和という目的の他にも、日中時間帯に品川~京急蒲田間を往復する普通列車、通称「蒲田ローカル」に使用する4両編成の送り込み運用でもありました。

そして京急川崎駅では2020年6月25日に上り本線ホームのホームドアが稼働開始されたことで、全国的にも珍しいホームドア設置駅での切り離し作業が行われる事例となっています。

なおこの直前、5月9日※1から「蒲田ローカル」は新型コロナウイルス感染拡大に伴う利用者の減少などを理由に全便運休※2となり、その送り込みとなる快特4本の増結も中止されました。この措置が続けばホームドア稼働後の切り離しは幻に終わるかとも思われましたが、6月6日に「蒲田ローカル」は運休継続ながらも快特の増結は再開されました。

※1、ゴールデンウィーク期間の5月2日~6日も運休。
※2、平日は一部列車のみ運転が継続。


ホームドア稼働後の切り離し作業手順

ホームドア稼働開始後の切り離し作業は以下のような手順で行われていました。

切り離し位置では作業を行う2人の運転主任と当駅から前8両に乗務する車掌が待機しています。列車が到着すると運転主任はホームドアが開くのを待ち、開いたら開口部とその外側を仕切る鉄製の扉を開けて車両連結部に入ります。ホームドアが開いてからでないと作業が開始できない分、ここが通常より若干のタイムロスとなっています。


車掌が増結編成のドアを閉めるとホームドアも後4両側だけが自動で閉扉。車両ドアの窓に貼られているのがホームドア制御用QRコードです。

その後は通常通り手際よく解結作業が進められ、作業が完了すると当駅まで乗務してきた増結編成最後部の車掌に対して運転主任がブザー合図を送り、それを確認した車掌が閉扉操作を行います。そしてこの時、車両ドアに貼付されたQRコードを用いてホームドアを開閉する制御システムは増結編成側だけが閉扉されたことを正しく認識しており、前8両のホームドアは開けたまま後4両だけのホームドアが自動閉扉されます。なお、この時のホームドア閉扉動作は通常よりも若干タイムラグがあるように見えました。


続いて前8両の乗降が終了し車掌がドアを閉めると、当然こちら側のホームドアも追従して閉まります。

前8両が発車し正常に解結されたことを2人の運転主任が確認し、うち1人は切り離された増結編成の入換運転のため乗務員室に乗り込み、もう1人はホームドア筐体間に設けられた開き戸式の出入り口からホーム内側に戻ります。なお、列車到着時にこの出入り口を使わないのは、ホームドアが開いた状態だと扉が戸袋を突き抜けるように収納され、出入り口を半分塞ぐ形になっているためだと思われます。



他の駅とは異なりホーム2箇所に設置された定位置停止検知センサ。

以上のように、以前より多少の制約は生じたようですが、運転主任の伝統的な素早い解結作業とQRコード式システムによる柔軟な開閉制御がホームドア設置駅での切り離し運用を実現しています。なお、同駅5・6番線には他の駅だと1ホーム1箇所しかない定位置停止検知センサが2箇所に設置されており、これがホームドアを前後の編成別に制御できるシステムに関係しているのだと思われます。

5月から始まった「蒲田ローカル」の運休は未だに続いているため、切り離された増結編成はすぐに折り返して車庫に帰る運用となっています。もしも「蒲田ローカル」が正式に廃止にでもなれば、京急川崎駅での切り離し自体が見直される可能性も考えられるため、2021年春ダイヤ改正の内容が注目されます。



参考資料

新型コロナウイルスの感染拡大防止対策に伴う営業内容の変更について(10月1日更新) | お知らせ | 京浜急行電鉄(KEIKYU)


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