東京メトロ銀座線のホームドア:上野駅1番線先行導入タイプ

東京メトロ銀座線上野駅では、2016年3月12日に1番線ホーム(渋谷方面)で銀座線初のホームドアが稼動開始されました。また同駅はホームが急カーブに位置しており列車とホームの隙間が広いため、こちらも銀座線では初となる可動ステップが同時に整備されました。


ホームドアの概要

ホームドアのメーカーは京三製作所で、戸袋スライド式の透過型ハーフハイトタイプが採用されました。扉部分に上野動物園のパンダを模したイラストが描かれています。
開口幅は推定2,700mmとこれまでの東京メトロ各線に設置されたホームドアよりはやや広めです。設置当時の銀座線には01系と1000系の2形式が在籍しており、両形式でドアピッチが異なっていたことが影響しているのだと思われます。


非常脱出口は車両連結部に設けられた開き戸式のほか、1-2番ドア間の筐体は本体カバーを横方向にスライドさせると非常脱出口になる「戸袋スライド式非常脱出口」が備わっています。このスライド機能のある筐体は中央部が透過パネルとなっていて、上野公園の桜をイメージしたイラストが描かれています。

戸袋には左右の扉が互い違いに収納されます。余談ですが、収納された左右の扉の重なり具合が絶妙なため、一方のパンダがもう一方のパンダに飛び蹴りしているように見えると話題になりました。


一方のスライド機能のない2-3番ドア間の筐体には大型のデジタルサイネージが組み込まれています。また、その両脇にも液晶画面を埋め込めるような使用されていないスペースがあります。


車側灯検知による可動ステップ制御システム(連携化前)

銀座線の現在のホームドア開閉方式は、東京メトロで標準のトランスポンダによる連携です。ホームドアと車両ドアが互いに同期し、両方が閉まった状態でないと列車は出発できません。

しかし上野駅1番線にホームドアが設置された当時、まだ銀座線の車両はトランスポンダ連携に対応していませんでした。その状態で可動ステップも同時に整備されるため、列車の走行中あるいは乗客が乗降中に可動ステップが動作してしまうと危険を伴います。すなわち、地上側と車両側が直接同期しない方法で安全にホームドア・可動ステップを制御する必要がありました。

そこで導入されたのが、車側灯(車両ドアの状態を示す表示灯)の点灯状態をカメラで検知するシステムです。この方法によって車両ドアの開閉状態をリアルタイムで認識し、確実に可動ステップを制御することが可能となりました。

詳しくは別記事で紹介しています。

その後、2017年3月に旧型の01系が引退したため、他駅でのホームドア本格整備開始と同時期に上野駅1番線もトランスポンダ式連携に変更され、当時のシステムに使われていた機器は既に撤去されています。


当時は各号車の車側灯付近に検知用カメラが設置されており、専任の駅員が編成後部のホームドア操作盤からホームドア・可動ステップを操作していました。



銀座線で01系引退前に整備されたホームドアは上野駅1番線のみで、01系引退後の2017年度から他駅での本格整備が始まりました。しかし他駅では外観や仕様が異なるタイプが採用されたため、結果的に上野駅1番線のホームドアは希少な存在となっています。



出典・参考文献


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