京急電鉄 京急蒲田駅のホームドア

取材日 2019年12月1日


京急電鉄は2016年12月、利用客が多い主要5駅にホームドアを設置していくことを発表し、京急蒲田駅では2019年8月までに待避線の2・5番線を除きホームドアが整備されました(2・5番線には固定柵を設置)。地上駅および空港線以外のホームにホームドアが設置されるのは同駅が最初となりました。


1 ホームドアの概要

1.1 1・4番線(空港線ホーム)

空港線ホームの1・4番線には3月上旬にホームドアが設置され、4月21日に運用が開始されました。ホームドア筐体は同年2月に稼働が開始された羽田空港国内線ターミナル駅(現:羽田空港第1・第2ターミナル駅)のものと特に変化は見られませんでした。そのため、細かい特徴などは第1・第2ターミナル駅の記事をご覧ください。


1番線には品川方面からの羽田空港行きと羽田空港からの横浜方面行きが、4番線には横浜方面からの羽田空港行きと羽田空港からの品川方面行きが発着するため、開口部の左右で方面別に乗車整列位置(青色が羽田空港行き、赤色が品川方面(4番線)・横浜方面(1番線))が分けられています。

なお、ホームドア設置前は方面別に停止位置を1m程度ズラすことで乗車位置が分けられていました。


1.2 3・6番線(本線ホーム)

1・4番線のホームドア稼働開始から約2ヶ月後の6月14日、京急本線の普通列車として活躍してきた4ドア車の800形が営業運転から引退。これにより京急線で運行される車両は全て3ドア車に統一されました。800形はホームドア整備促進のために置き換え計画が前倒しされてきた過去があり、まさにこの時を待っていたかのように引退翌日の15日深夜には3番線へ、22日には6番線へホームドアが設置され、8月9日に運用が開始されました。

空港線以外のホーム尚且つ12両対応のホームでは初のホームドアでしたが、外観や構造は1・4番線のものと変わらないように見えます。しかし、一部に細かいながらも大きな変化がありました。

その変化とは、片側の扉のみ僅かに幅が広い開口部が存在する点です。幅が広い扉はガラスが二分割されてピラーが入っているため識別することは容易ですが、開口幅の差は通常の開口部(推定3,200mm)と点字ブロック一個分にも満たない程度のため、見た目ではほとんど分かりません。

3・6番線の各号車ごとの筐体配置は下図の通りです(GIF画像)。

3・6番線とも1-4号車までは通常の開口幅ですが、5号車以降は3番ドアのみが拡幅開口となっており、その拡幅分は車両連結部側の筐体幅を狭めることで相殺されています。しかし、9号車だけは1番ドアが拡幅開口となり、拡幅分だけ2・3番ドア自体も僅かに10号車側へズレています。


このように文章だと伝わりづらい細かな差があることが3・6番線ホームドアの特徴です。しかしその後、同駅に続いて横浜駅、上大岡駅、京急川崎駅の順にホームドア整備が進められていくと、開口幅が異なるだけでなく一部号車のみ二重引き戸タイプが採用されるという新たな形態差が生まれました。そもそもなぜ拡幅開口や二重引き戸が必要なのか、そしてそれらが設けられている箇所はどういう法則で決められているのか、といった考察については今後記事にしたいと考えています。


2 ホームドアの開閉方式

同駅のホームドアには、先に導入された羽田空港両駅と同じくQRコードを用いたホームドア制御システムが使用されています。詳しいシステムのしくみは以下の別記事および動画で紹介しています。

開業当初の羽田空港国際線ターミナル駅(現:羽田空港第3ターミナル駅)ホームドアでは、2ドア車の京急2100形が発着する際には車両に設置されているタグを読み取ることで車両側にドアが無い2番ドアのホームドアを締め切る制御が行われていました。

しかし本線の12両編成が発着するホームでは、2100形と他形式の併結という号車によってドア数の異なる列車も運行されるため、車両ドアに貼られたQRコードの車種情報を元にホームドアを制御できるというこのシステム最大のメリットが存分に発揮されています。


2.1 各種機器の概要

定位置停止検知センサ(左)とQRコード読み取りカメラユニット(右)。

羽田空港両駅と同じく、QRコードを読み取るカメラユニットと車両連結部を測定して定位置停止を検知する測域センサが設置されました。これまでの地下駅と違って天井が高い駅構造のため、各種機器を吊している支柱はかなり強固な見た目です。


羽田空港両駅と異なるのが、QRコード読み取りカメラにはレンズフードのような部品が取付けられている点です。この部品は1・4番線の稼働開始直前に増設された物のようなので、初の地上駅での運用だったことも関係していると思われます。自然光もしくは雨がQRコード読み取りに何らかの悪影響を与えることへの対策でしょうか?


2.2 各種機器の配置とQRコード貼り付け位置の関係

(1)1・4番線


(2)3・6番線

QRコード読み取りカメラ・定位置停止検知センサの配置と各編成両数の停止位置の関係は図の通りです。京急線内では4両から12両まで幅広い編成両数が運行されており、駅・ホームによって各編成両数の停止位置設定は異なるため、読み取りカメラの設置台数は極力少なくする代わりに多くの号車にQRコードを貼り付けることで、最低でも2カ所以上で認識できるようにされています。


3 車掌用ITVモニタの増設

6番線の4・6両編成最後部および4番線の羽田空港方面に出発する列車に対しての車掌用ITVモニタは元々ありませんでしたが、ホームドア設置に併せて新設されました。他の箇所に従来より設けられていたものとは異なり、液晶モニタがむき出しのかなり簡素な見た目となっています。



前述のように、同駅3・6番線から登場した不自然な拡幅開口はその後の設置駅でさらに複雑に形態差を広げていきました。2020年6月下旬に京急川崎駅6・7番線の稼働が開始されれば当初予定の主要5駅で整備が完了するので、各駅・各ホームごとの細かな違いを探してみるのも面白いのではないでしょうか。



参考資料

京急蒲田駅にホームドアを設置します | ニュースリリース | 京浜急行電鉄(KEIKYU)

2019年4月21日(日)始発より京急蒲田駅のホームドアの運用を開始いたします | お知らせ | 京浜急行電鉄(KEIKYU)

京急蒲田駅3・6番線にホームドアを設置 | ニュースリリース | 京浜急行電鉄(KEIKYU)

2019年8月9日(金)始発より京急蒲田駅3、6番線のホームドアの運用を開始いたします | お知らせ | 京浜急行電鉄(KEIKYU)


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